清張出現以前は、人殺しやエログロを売り物とするミステリーは女性の読むものではありませんでした。
それがいつのまにか、清張人気を支えているのは女性読者、とまで言われるようになったのです。
今回はその転換点に的を絞って、清張の綿密で周到な戦略についてお話しします。
ミステリーといえば週刊誌ですが、週刊誌ブームの一翼を担った女性誌のなかでは『週刊女性自身』がその代表的な存在でした。
時はまさに〈よろめき〉ブームの昭和三十年代。
清張はどのような戦略のもとに女性読者を獲得していったのでしょうか。

第1回女性週刊誌ブーム以前の清張ミステリー
- 2025年12月21日(日)午後2時~3時30分
- 『週刊女性自身』の創刊は昭和33年12月。三島由紀夫の『美徳のよろめき』の発表は昭和32年。この頃から女性をめぐる世の中の空気は大きく変わっていきます。この回は、それ以前の清張ミステリーについてお話しします。『箱根心中』(昭和31年)、『遠くからの声』(昭和32年)、『二階』(昭和33年)などですが、まだまだ女性を狭い枠の中に押し込めようとする風潮のなかにあって、清張ミステリーは少しずつですが、それにあらがい始めていきます。
第2回『週刊女性自身』との共同作戦
- 2026年1月18日(日)午後2時~3時30分
- 『週刊女性自身』は光文社の発行です。『点と線』やカッパ・ノベルスでの清張との連携は有名ですが、連携ぶりがもっともよく見られるのが『週刊女性自身』だったのです。編集方針との連携、特集との連携など多岐にわたる連携のありようを、『愛と空白の共謀』(昭和33年)、『文字のない初登攀』(昭和35年)などから、探っていきます。清張が女性読者からの圧倒的な支持を集めたのも当然であったことがおわかりいただけると思います。
◆講師

- 藤井 淑禎(ふじい ひでただ)
- 立教大学名誉教授
専門は、近代日本文学文化、戦後大衆文化、ミステリーなど。主著は、『小説の考古学へ』『清張 闘う作家』『清張ミステリーと昭和三十年代』『高度成長期に愛された本たち』『名作がくれた勇気』『純愛の精神誌』『望郷歌謡曲考』『御三家歌謡映画の黄金時代』『漱石紀行文集』『90年代テレビドラマ講義』『乱歩とモダン東京』『水上勉―文学・思想・人生』『「東京文学散歩」を歩く』『松本清張と水上勉』など。
応募要項
- 場所:
- 東武博物館ホール
東武スカイツリーライン「東向島駅」下車
- 定員:
- 110名(応募多数の場合は抽選)
- 参加費:
- 無料
- 応募条件:
- 第1回・第2回の講演は2回1セットの応募
(個別の応募はできません)
- 主催:
- 東武博物館
- 応募方法:
- 申し込みフォームより必要事項をご入力して、送信してください。
- 締切:
- 2025年11月19日(水)
※当選者には応募締切から1週間を目途に、当選ハガキ(入場券)を発送させていただきます。
※落選通知はございません。
- お問合せ:
- 東武友の会 TEL. 03-5951-5248
- 注意
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- ※一度に複数名のご応募はできません。(複数名が記入されたハガキは無効となります。)1回の応募で1名様のみ有効となります。
- ※講演のテーマ内容は変更になる場合もございますので、ご了承ください。
- ※ご応募いただきました方の個人情報は、当選ハガキ発送以外の目的で使用することはありません。



