
一連の高倉健映画には戦後日本の軌跡が鮮やかに刻印されています。
スターダムにのし上がってからの、「八甲田山」に代表される大作時代から「鉄道員(ぽっぽや)」に代表される秀作時代への変貌のうえにも、戦後日本の歩みは影を落としているのです。
- 第1回ジャパン・アズ・ナンバーワン時代の健さん映画
- 2021年2月21日(日)午後2時〜3時30分
- 「八甲田山」を皮切りに、80年前後の健さんは「海峡」「南極物語」といった大作映画に取り組みます。バブル前夜のこの時期は高度成長の余波もあって、戦後日本が我が世の春を謳歌した時代でした。それを背景として生み出されたのが一連の大作映画だったのです。
- 第2回珠玉の秀作群
- 2021年3月21日(日)午後2時〜3時30分
- 90年代に入る頃から始まったバブル崩壊は、国際情勢はもちろん社会や暮らしなど、あらゆるものに変化を促しました。そんななか「鉄道員(ぽっぽや)」以降の健さん映画もかつてとは打って変わって庶民の心や暮らしをきめ細かく描く珠玉の秀作群の時代を迎えます。
◆講師

- 藤井淑禎(ふじい・ひでただ)
- 立教大学名誉教授
専門は、近代日本文学文化、戦後大衆文化、ミステリーなど。主著は、『小説の考古学へ』『清張 闘う作家』『清張ミステリーと昭和三十年代』『江戸川乱歩と大衆の二十世紀』(編著)『高度成長期に愛された本たち』『名作がくれた勇気』『純愛の精神誌』『望郷歌謡曲考』『御三家歌謡映画の黄金時代』『漱石紀行文集』(編著) 『90年代テレビドラマ講義』など。