今年は水俣病が公式確認されてから七十年の節目の年です。
これに合わせた企画も多く見られましたが、いち早くこの問題に取り組んだ水上勉の名前がそこに見られることはありませんでした。
本講座ではその理由について考えるとともに、報道番組を観た翌日には水俣に駆けつけ、超人的なスピードでそれを作品化した『不知火海沿岸』(昭和三十四・十二)と、一躍世の中の注目を浴びることになった水俣病をめぐる諸問題の高揚のさなかに、わずか数ヶ月で前作を大幅に増補し刊行した『海の牙』(昭和三十五・四)という水上文学を代表する傑作ミステリーについて考えます。

第1回水俣奇病と『不知火海沿岸』
- 2026年12月20日(日)午後2時~3時30分
- 水俣の不知火海沿岸での奇病の発生は昭和28年、患者数の増加を受けてそれが公式確認され、研究と対策が本格化したのは昭和31年でした。ただし、それが社会問題化したのはその3年後で、この年、NHKの報道番組で水俣病のことを知った水上勉は翌日には水俣に赴き取材を開始し、それは『不知火海沿岸』として結実します。一回目のこの回では、そうした水俣病の歴史と水上勉との関わりについてお話します。
第2回社会派ミステリーの傑作『海の牙』
- 2027年1月17日(日)午後2時~3時30分
- 社会派ミステリーの代表作家は言うまでもなく松本清張と水上勉ですが、社会的事件への関わり方という点では両者は大きく異なっています。二回目のこの回では、そんなことを皮切りとして、社会的事件と深く関わり続けた水上勉の社会派ミステリーについて考えます。水俣病を取り上げた『海の牙』は『飢餓海峡』と並ぶその代表作で、前作『不知火海沿岸』からわずか数ヶ月後の完成というのも驚きですが、文学と社会性との両立という点でも、傑出したミステリーなのです。
◆講師

- 藤井 淑禎(ふじい ひでただ)
- 立教大学名誉教授
専門は、近代日本文学文化、戦後大衆文化、ミステリーなど。主著は、『小説の考古学へ』『清張 闘う作家』『清張ミステリーと昭和三十年代』『高度成長期に愛された本たち』『名作がくれた勇気』『純愛の精神誌』『望郷歌謡曲考』『御三家歌謡映画の黄金時代』『漱石紀行文集』『90年代テレビドラマ講義』『乱歩とモダン東京』『水上勉―文学・思想・人生』『「東京文学散歩」を歩く』『松本清張と水上勉』『小説の読み方が変わる』など。
応募要項
- 場所:
- 東武博物館ホール
東武スカイツリーライン「東向島駅」下車
- 定員:
- 110名(応募多数の場合は抽選)
- 参加費:
- 無料
- 応募条件:
- 第1回・第2回の講演は2回1セットの応募
(個別の応募はできません)
- 主催:
- 東武博物館
- 応募方法:
- 申し込みフォームより必要事項をご入力して、送信してください。
- 締切:
- 2026年11月18日(水)
※当選者には応募締切から1週間を目途に、当選ハガキ(入場券)を発送させていただきます。
※落選通知はございません。
- お問合せ:
- 東武友の会 TEL. 03-5951-5248
- 注意
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- ※一度に複数名のご応募はできません。(複数名が記入されたハガキは無効となります。)1回の応募で1名様のみ有効となります。
- ※講演のテーマ内容は変更になる場合もございますので、ご了承ください。
- ※ご応募いただきました方の個人情報は、当選ハガキ発送以外の目的で使用することはありません。
- ※東武博物館友の会会員の方は、申込方法が異なります。お手持ちの「東武博物館だより」をご覧ください。



